自分の働いている業界の将来の先行きが不透明だったり、暗かったりすると漠然とした不安を感じる事があります。例えば介護業界の場合は2025年には介護職員の数が大幅に足りなくなるというデータが出ています。この年はいわゆる団塊の世代が75歳以上になる年で、介護が必要になる人が大幅に増えると予想される年です。特に東日本大震災の影響からか宮城県や群馬県、そして埼玉県や栃木県などの東日本の介護職員が大幅に足りなくなると予想されています。 現在介護の業界で働いている人で、これを自分が活躍できるチャンスが増えそうだと前向きにとらえられる人はほとんどいないと思います。現在でも慢性的な介護職員の人手不足により、職場によってはブラック的な職務時間を課せられている人も大勢います。今後ますます介護の現場で人手不足になっていくと、自分の負担の量が必然的に増加する事が予想されます。そして今よりも年齢を重ねて体力が落ちている状態を予想すると、どのような職場環境になっていて、自分の体調や精神面はどうなってしまうのかと不安が尽きないと思います。
そもそも介護業界で働く事は大変な事です。身体を自由に動かせない人の手助けをするためには体力が必要です。また要介護の方のために買い物をしたり洗濯や掃除をしたりする仕事も地味で疲れる仕事です。そして一番の問題はそのような過酷な労働の割りに給与が上がらないという点です。一般的な企業の平均所得に比べて10万円近く低いという現状があります。実際に介護業界で働いている方はその事を誰よりも理解しています。 自分は介護の仕事にやりがいを感じていて職場にしがみついて頑張っているというヘルパーさん達も、その他の人たち、特に若者が喜んでこの業界に入ってくるとは思えないはずです。わざわざ新卒でどの業界に入るのも自由な若者達が厳しい労働条件な上に給与が安い職場を選ぶとは思えないです。この事からもこの業界で働き続けていく事への不安を感じざるを得ないでしょう。
人手不足の業界は、人手不足が故に一人あたりの責任や仕事量が多くなるために、せっかく働き始めた人もすぐに離職してしまうという悪循環が起きています。この事も平均給与が上がらない一因になっていると言われています。介護業界もその例にもれず、全部の企業の平均勤続年数が11.9年なのに対してホームヘルパーの平均勤続年数は5.1年になっています。給与が上がる前に辞めてしまう人が多い事で平均給与が下がり、これから就職しようと思っている人に対するイメージが悪くなっている面もあります。今後今よりも離職率が減り、給与も一般企業と同等以上になっていかないと人手不足の不安は尽きないでしょう。
最終更新日:2015/12/17
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